シンガポールでは、輸入車に対し膨大な関税をかける。トヨタのクラウンクラスで1000万円というから、日本が三〇〇万円をきる価格で輸入車を買えるのとは、事情が違う。アパート暮らしの若者が、駐車場に平気でBMWやフォルクスワーゲンをおける国なのだ。「この国では、車をどんどん安くしようとしています。台数は伸びる一方。それにひきかえ規制、駐車場づくりは後手後手に回っている。不思議な国です」(専門家)車があふれる。駐車場づくりは遅々として進まない。そのために、違法駐車で幹線道路がふさがれ、経済効率は大きくマイナスの方向に振れる。この悪循環を断つには、不足している駐車場をつくるしかない。ただし、今日の明日という即効性は、まず望めない。駐車場ビジネスの未来は、その道のプロである専門家にまかせるとして、これだけ車が増えてしまった社会で、泥縄でも何でもいいから、何かグッドアイデアはないものか。「商業車の共用化、通勤車の共用化、あるいはミニバスの運行など、共用部分での交通機関を増やさないかぎり、だめでしょうね。将来、一定エリア内における電気自動車の共用というのは、必ずでてきます」つまり、現状で即効性のあるものは、まだ期待できないということだ。ただ、さすがの効率の悪さに、大手食品メーカーなどでは、競合会社同士が配送車の相乗り、混載に前向きに取り組み、一部、実行している動きもある。それにしても、これだけ渋滞が騒がれながら、五人乗り乗用車に一人だけという車が多すぎる。幹線道路で朝夕のラッシュ時、これを目撃するなら、相当無駄なことが行われていると実感できよう。専門家はいう。「金門橋は、一人で乗り入れると料金を取られます。二人以上は無料。一台に何人も乗る努力は、アメリカだけでなくいろいろな国で実行されています。車の絶対数を減らすには、もち帰りの車をなくす、共同購入システムを考えるなど、抜本的に見直さなければならないでしょう。車を使用することに対し、少しずつ知恵を出し合う段階にきています」深夜、同じ団地に帰る人が、一台一台別のタクシーに乗るような考え方は、もうそろそろ卒業しなければならない。一部では、共同出資でミニバスの調達を行い、最寄り駅と団地間を走らせたりしているが、こうした手段を講じないと、いまの車社会、ますます苦しい状況になるのは、目にみえている。
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