ミラノの夏は暑くて長い。灼けた石の匂いがする道。真っ青に光る空は、夜九時すぎまで暗くならない。そして街は、解放感溢れるおしゃれをした人々でいっぱいになる。五月にはもうストッキングを脱ぎ捨ててしまうミラネーゼたちは、六月になると肌を灼き始め、そして七月には小麦色を通り越してエスプレッソ色になった肌を惜しげもなくさらして歩くのだ。ココア色のストレッチ・ワンピースを着た女の子が私の前を通り過ぎる。畳んだら手のひらにすっぽり入ってしまいそうなくらいコンパクトな服。できうる限り体を覆う布の分量を少なくしたいとばかりに、胸も背中も大きく開いたノースリーブのミニドレスは、体にぴったりと沿って、そのラインをくっきりと見せている。それなのに少しもいやらしい感じがしないのだ。