先進諸国の事例を追う理由

2012.01.14

日本と同じ成熟経済ということもあるが、何よりもこれらの国々が、すでに若年雇用政策についての長い経験を有しているのみならず、政策措置についての豊富な蓄積を持つと考えたからである。アジア諸国について触れていないが、中国、台湾といったアジアの国・地域が若年雇用問題を抱えていないということではない。アジアの若者についても、彼らの生き方について、私は強い関心がある。アジアからの留学生たちを受け入れた経験からも、彼らから日本の若者が学ぶ点は多いと思われる。

[参考サイト]
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ただ、アジアの国々、とりわけ中国は依然として成長へのダイナミズムを失っておらず、成熟経済に移行した日本とは少し事情が異なると考えられる。。一方、日本の若年雇用の実態はどうなっているのであろうか。若年失業率は、九〇年代末に九%台に上昇した後、二〇〇三年には一〇・二%を記録した。二十年遅れで、日本も欧米先進国並みの深刻な政策課題をつきつけられることになったわけである。いきなり問題が顕在化しただけに、政策対応としてもほとんどなすすべもなく、世論を騒がせているというのが今日の実態である。九〇年代末は、景気後退が深刻な時期であっただけに、単純に景気との関連で若年雇用が議論されることが多い。しかし、今日の若年雇用問題は景気だけで説明がつく問題ではない。もしそうだとすると、過去の景気後退局面でニートやフリーターが出現しなかったことの説明かつかない。明らかに、景気後退の背後で何か別のことが起こっていると考えたほうが納得がいく。