一二月三一日の夜には、除夜の鐘が一○八回嗚らされる。一〇八回と決まっているのは、人間の煩悩が一〇八個あると考えられているからだ。煩悩と同じ数だけ鐘を鳴らすことで、それを消していくのである。ではなぜ、煩悩は一〇八個なのだろうか。仏教では、煩悩の内訳を次のように説く。まず人間には、「眼、耳、白眉、舌、身、意」の六つの感覚器竹がある。これを「六根」というが、六根が感じるものは「好、平、悪」の三つに分けられる。そのため、六根が受け取った感覚は、六×三で一八通りとなる。さらに、受け取り方の段階は、「染、浄」の二通りの程度があるとされ、一八通りが二段階で、三六通りとなる。これらの感覚には、「過去、現在、未来」という三つの時間帯が存在し、それぞれが影響しあって人間を煩わせるとされる。三六通りの感覚が三つの時代から影響を受けるということは、三六×三で一〇八となる。
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