マンションを中心にした不動産の世界は、取材範囲が広く、理解しにくい分野でもある。私は出版・編集の出身なので、住宅に絞り込む以前にいろいろな分野の取材をしていた。医学の取材をしたこともあるし、料理の取材、ファッションの取材経験もある。各分野は、だいたい半年も取材すれば大まかな様子がわかった。どんな世界なのか、「カン」がつかめたのである。しかし、住宅の分野は違う。マンションがあるし戸建てもある。分譲と賃貸、新築と中古があり、建築の知識、法律の知識、金融・税制の知識、投資の知識がいる。専門用語も多い。だから、半年では右も左もわからない。3年取材してもまだわからない。5年くらいでようやくぼんやりわかってきて、10年で半人前。20年でなんとか自信がつくという世界。住宅と不動産は手強い分野なのだ。まあ、しんどいことはしんどいのだが、それだけおもしろい分野でもある。おもしろいから、飽きずに25年も取材を続けてしまった。取材を続け、ここ数年、あることを感じるようになった。それは、21世紀になって、分譲マンションが大きく変わったということだ。